新型コロナによる景気悪化、08年の金融危機上回る恐れ=WTO事務局長




[ジュネーブ 25日 ロイター] – 世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は25日、新型コロナウイルスの感染拡大に起因する経済の悪化と雇用喪失は2008年の世界的な金融危機時のリセッション(景気後退)を上回る恐れがあるとの見解を示した。

アゼベド事務局長はWTOのウエブサイトに掲載したビデオメッセージで「新型ウイルスの感染拡大により、いや応なく経済は甚大な影響を受ける」とし、「経済の悪化と雇用喪失は08年の世界的な金融危機時を上回る恐れがある」と指摘。具体的な数値はまだ得られていないとしながらも、WTOのエコノミストは「貿易の著しい落ち込み」を予想していると述べた。

ただ各国政府は経済への短期的なダメージの抑制に向けた措置をとり、長期的な回復への地合いを整えることもできると語った。「協調によりリセッションに対抗する集団的な力を増強できる」とし、国際的な協調を呼び掛けた。