こんにちは谷智栄(たに ともひろ)です。
インドネシアの首都ジャカルタは違法な井戸の建設によって25年間で最大5mもの地盤沈下を引き起こしています。
地盤沈下が起きている地域ですら、今だに市民の多くが違法井戸に依存して生活を送っています。
ジャカルタの表流水は下水によって汚染されているため、原水の大半を市外から購入。
そんな原水も処理された後、100年以上経過する水道管を通じて供給されるので、水漏れなどのトラブルにより約40%が途中で失われてしまう。
残った水も水道管を流れる際に再び汚れる始末。
水道水の利用可能な人々でさえ、飲用に適さない水の代金をPAMジャヤに支払うかわりに、違法な井戸の水を利用する事が多いのです。
水道インフラに資金を投じる案が出ていましたが、コロナの影響で予算が28%縮小し頓挫しています。
工事が進まない原因として街の構造が入り組んでおり、スクーターがやっと走れるような路地が多く存在し、そんな路地にも住宅は多く、綺麗な水を求める人たちがたくさん生活しているのです。
そのような土地に住む人々は水道やPAMジャヤの水だけではまともな生活が送れないので、樽で水を売り歩く業者から水道水の30倍もする価格で購入しているという実態があります。
何年も前から首都をジャカルタから別の場所に移動する案が出ていますが、インドネシアの友だちに聞くと、西ジャワのバンドンに政府機関の建設がすすめられているようです。
この絶望的な状況でもジャカルタを救う手段として水道管工事や浄水場建設に力を入れてほしいですが、違法井戸の使用は簡単に止められそうもありません。
以前バンドンに滞在したときも、屋根に設置されたタンクの水でお風呂やトイレを使用していましたが、少し茶色く濁っており飲料水として安全とは言い難いものでした。
このような水道管の問題は残りますが、バンドン地方は海抜700m以上あるので水没に見舞われる心配はありません。
リゾート地としての地価が値上がりしているインドネシアですが、今後はバンドン周辺の価値が高騰することが容易に想像できます。
実際に年々上がっている状況ですが、まだまだ発展途上なので投資のチャンスはたくさんあります。
なんにせよ、ジャカルタの水道インフラ事業は早急に対処して、先人が残した建物や歴史を守り、平均年齢30歳の若者が支える活気ある国に潤いをもたらす事を願います。